社員リレーブログVol.16 ポータブル遠隔監視システム「Smart i Catch」開発秘話とハードウェア選定のコツ
はじめに
ちゅおっす!(←弊社ゆるキャラ「ちゅうでんちゃん」の挨拶です。もう覚えて下さいましたか?)
ハードウェア技術本部のSです。
今回は、弊社製品の「ポータブル遠隔監視システム「Smart i Catch」 」について、
ハードウェアの選定に着目してお話しします。
お時間がありましたらぜひ、ご一読下さい。
Smart i Catch 開発秘話
「ポータブル遠隔監視システム Smart i Catch」の開発の始まりは、あるお客様から
“全国に散らばっているETCゲートの電流を計測し遠隔(クラウドなど)で一元管理できないか”
という検討依頼をいただいたことがきっかけでした。
しかし残念ながらこの案件自体は他の事情により保留になってしまいましたが、簡易的な試作機で対応可能な見込みがあるところまで出来ていたので、同様のお悩みをお持ちのお客様に応用してIoT・DX提案ができるのではないか?ということで本格的に製品化することになりました。
ただ、そのままでは売り物にならないので、製品化とそれに伴う製品のブラッシュアップの為の「Smart i Catch」プロジェクトチームが発足した、というのが一連の流れです。
余談ですが、「Smart i Catch」の名称は発足当初違った名称で、「Smart i Catch」に決定するまでには社内で色々ユニークな案が出ましたよ。^^
ハードウェア選定
お客様からの情報収集と社内での検討により、現在の仕様(※)の構成となりましたが、当初は親機側のみの構成も考えていました。
※現在の仕様
子機側で接続センサの情報を取り込み、親機側に無線通信でデータを渡す。
親機からTLE通信を介してクラウドにデータを上げるシステム。
「親機のみ」の場合、センサの配線が長くなる等の理由から、現在の構成である「子機・親機」が適していましたが、
先ずはそのようなシステム構成が可能かどうかの調査から始めました。
プロジェクトチーム内で調査した結果、無線通信で情報を渡せるシステムがあったため、そちらを組み込めば実現可能ということが分かり、無事に「子機・親機」の構成でシステムが誕生しました。
子機・親機の選定ポイント
<子機選定の着眼点>
- センサはどのようは物が接続できるのか
- デジタル入力?アナログ入力?
- 入力電圧は?
- 子機は複数台接続できるのか?
- サンプリング周期は?
- チャンネル数は?
これらはどんなシステムにおいても、ハードウェア構成を検討する際に確認が必要となるポイントです。
続いて親機です。
子機からの情報を無線通信で取得したのちに、どのように親機側に飛ばすかがポイントになります。
システムとしては、子機側からの情報を無線通信で取得し、さらに取得した情報を親機内部回路でCPUに受け渡し、CPU内で処理を行った上で、クラウドに情報を渡すモジュールとの通信を行う方法です。(こちらは事前の試作機で、ある程度構成が決まっていました。)
<親機選定の着眼点>
- 無線通信で受け取った情報をCPUとどのような通信形態が必要か?
- CPU内での処理はどこまで必要か?
- CPUとクラウド接続モジュール間の通信形態はどのようにするか?
- 上記を加味して、仕様を満足できるスペックのCPU を選定する
ここでの重要なポイントは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを考慮することです。
ソフトウェアの処理も考えた上で選定することが重要です。
そこに+αとして、「筐体選定」もハードウェア設計で重要な 一部です。
やはり実際に設置するにあたっては、小型であることに越したことはありません。
機能を充実させるのであればいろいろと付加機能が必要になり、筐体サイズも大きくなってしまいます。
ソフトウェアの機能も考慮し、かつ小型サイズで対応可能かどうかも、顧客目線に立った提案として とても重要なポイントです。
※ただし案件によっては、筐体サイズがお客様からのご要望で決まっていることもあります。その際はご要望に合わせて対応しております。
展示会での展示の様子
このように展示会では実際の工場と遠隔地の環境を再現し、監視状況のデモンストレーションも行っています。
★デモが必要な方は、こちらの「お問い合わせフォーム」からお問合せください
★出展イベント情報は当HP「お知らせ」で随時配信しております
最後に
いががでしたでしょうか?
え~、ハードウェア開発者からしたら当たり前の内容ではありますが・・・^^;
今回は自社製品(パッケージ製品)である「Smart i Catch」の 開発についてなので、お客様からの要求仕様はありませんでしたが、実際は前述のハードウェア選定時に気を付ける様々なポイントに加えて、お客様の要求仕様を満たすことが前提条件となります。
この記事が、皆様のものづくりにおける考え方に少しでもお役に立てていれば嬉しい限りです。
また、CEWでは、このようなお客様からのご要望に基づき様々なソリューション提案を行っており、多数実績がございます。
他社で断られたような難しい案件であっても、“カスタマイズ対応が得意なCEW”が実現したという案件も少なくありません。
ぜひお気軽にご相談ください。
関連URL
当HP製品情報|CEWソリューション提案の実績
https://www.e-cew.co.jp/product/solution/