「AI外観検査システム」― AIを活用した外観検査システム開発
はじめに
近年、製造、金融、サービスなど様々な業界でAIを活用したシステムに注目が高まってきています。
AIを活用することにより、人手不足解消、生産性の向上、品質改善など働く人々のサポートが可能になると期待されています。
今回は弊社のAIを活用した取り組み 「AI外観検査システム」 についてご紹介させて頂きます。
AIによる画像診断とは?
自動で画像データの特徴を抽出して学習する技術により、人間の目に頼っていた良品判定を自動化することができます。
AIによるシステムの流れは、
①検査物のデータを準備(約1000枚良品不良品の画像を撮影)
②AIに良品不良品判定の特徴を抽出・学習(AIモデルを設計して学習)
③学習させたAI学習モデルで外観検査を実施
となります。
開発結果
良品・不良品の画像を1000枚用意しAIに学習させた結果、検査物(コネクタ)の欠陥・不良品の検出率97%以上という精度が出ました。
※学習のデータ量を増やせば、精度がより向上する可能性があります。
開発者インタビュー
実際に開発を行ったエンジニアLさん(以下:L)に、インタビューしてみました。
Q:今回の開発で苦労した点は何ですか?
A:(L)
①不良品のデータの取得
量産品には不良品が少ないため、学習に必要な画像の入手に時間がかかりました。
②検査に最適なAIモデルの設計
AIモデルの種類によって性能と精度が異なるので、検査に最適なAIモデルの選定と設計に苦労しました。
③学習パラメータの調整
学習のパラメータは精度に関わる重要な部分なので、学習方法や学習率などの調整を何度も行う必要がありました。
④データセット作成
学習の前処理として行う分類やラベリング作業に時間がかかりました。
Q: AIに置き換えられる作業・業務は何だと考えていますか?
A:(L)今回の開発では画像データを使用した分類処理(認識・検出)を行いました。
この技術を用いれば、これらの作業・業務の置き換えが可能だと思います。
①製品欠陥検査
②部品や配線などの取り付け確認検査
③数量検出
④異物検査
⑤製品の分類
Q:AIの将来性についてどのように考えますか?
A:(L)将来はコンピュータの進化に伴い、基礎的な仕事はAIに任せられ、人間は管理と開発をする時代になると思います。
AIの最終目標は、人間の行動や思考などを真似し、危険な仕事や重複性が高い仕事などを代わりに行うことだと考えられています。
またAIを製造業に導入する場合、物のコストダウン、生産性アップ、人手不足解消、効率化に繋がる可能性があると思います。
Q:画像検査にAIを導入するメリットは何だと思いますか?
A:(L)主なメリットは、以下の通りです。
さらには、以下のようなメリットも期待されます。
④従来の画像検査より複雑な検査が可能
⑤検査を高速で行うことが可能
⑥パラメータ設定が不要で、使用者の操作が簡単
Lさんありがとうございました。
おわりに
今回実際に開発を行った社員からAIについて話を聞くことが出来ました。
AI技術について、この記事で具体的に活用方法のイメージを持っていただけたなら幸いです。
ご質問等やAI技術の活用についてご意見やお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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以上、最新技術を活用した弊社の取り組みをご紹介させていただきました。
次回のブログもお楽しみに。
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